歴史好きが「もののけ姫」の世界を勝手に考察! ~時代考証編その2~
こんにちは!
暑さも寒さも彼岸までと言いますが、なかなか気候が安定しませんね。
すっかり更新も遅くなってしまいました。
今回は前回の続きです。
「もののけ姫」を、歴史好きが勝手に考察してるだけです笑
もしよければ、一緒に考えてやってくださいね!
さて、前回、時代考証…といいますか、勝手に時代のあたりをつけました。
今回はその補足というか、追加事項を書いてみます。
それは前回登場した石火矢を持つ戦闘集団「石火矢衆」を束ね、
それだけでなく唐傘を被った集団「唐傘連」や、熊の毛皮を被り偵察をしていた「ジバシリ」を
動かしていたハイスペックジジイ「ジコ坊」にあります。
ジコ坊自身、物語の初期からアシタカに(よりによってもののけ姫・サンよりも早く)近づき、
アシタカをタタラ場に向かわせたり、神殺しにはやるエボシ御前に対し(直接ではないにしろ)
皮肉めいた発言をするなど、話を大いに動かしたトリックスターと言えます。
しかし彼の一見演出にすぎないような動きもまた、時代を検証するきっかけになるのでは!と、
筆者は勝手に考えてしまうわけです^^;
そもそも、同じ集団に属しながら、「シシ神」を殺す理由がエボシ御前と
ジコ坊では大きく異なることに、気がついた方も多いのではないでしょうか。
エボシ御前が求めるのはあくまでも「タタラ場周囲の自然の支配」と考えられます。
それも「新石火矢」という、火を手にし文明を切り開いた人間の象徴でもあるそれを使用して。
彼女自身、使えるとあらば女や被差別者(アシタカ含む)をも躊躇なく受け入れる、きわめて「資本主義的」な存在です。
(昔どこかのレビューで、神殺し前までのエボシ御前は織田信長を暗に示しているのではないかという
文章を読んだことがありました。個人的にはその通りだと思います。次回以降その話をしようと思います)
一方で、ジコ坊の目的はけして「神殺し」ではありませんし、自然の支配でもありません。
彼の目的はただ一つ、「シシ神の首」にほかなりません。
シシ神の首にあると考えられた「不老不死」の力です。
それも、彼自身が不老不死になりたいのではなく、
ジコ坊という存在もまた、大きな流れの一端にすぎないということです。
物語中盤で語られる「シシ神の首による不老不死」という、結果的に見れば間違った見解は、
時の権力者がのどから手が出るほど欲しかったものです。
どの時代を見ても、権力を手にしたものが次に欲するものは「永遠」なのです。
そしてそういった者たちがいる時代はほぼ変わらず「戦乱」の世です。
ジコ坊は、彼ら戦乱の世の中の権力者の命で動いていることがそこで語られています。
ここからあたりを付けるとなるとかなり細かくなってきます。
製鉄の知識も新石火矢(フィクションですが)の発明も、室町前期で成立するのですが、
この「不老不死を欲しがる者たち」を考えると、室町後期、およそ大永年間(1520年代)から
1543年、つまり種子島が入ってくるまでの年代の話なのではないかと考えています。
そのころはちょうど世の中も荒れ始めたころです。大物崩しの戦いもあったころなので。
さて、また長くなってしまいました。
実はこの時代考証は、場所の特定も交えないと訳が分からなくなるので、
次回きちんとまとめていこうと思います。
最後までの閲覧ありがとうございました。
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