歴史好きが「もののけ姫」の世界を勝手に考察! ~エボシ御前とハンセン病患者たち~


 

こんにちは!

「マイクラでジブリ建設」は現在着々と資材集めをしています。

こちらも引き続き継続していきますので、

よければ見ていってくださいね^▽^

もう少ししたら別作品にもシフトしたいななんて考えています。

 

今回も結構ナイーブな表題です。

 

エボシ御前がアシタカに「わたしの秘密を教えよう」と言って

連れ出した先で、包帯を体中に巻き付け、新石火矢を作る

病人たちの姿でした。結構ショッキングなシーンですね。

作中明確な説明はされていませんが、

あの病人たちはおそらく「ハンセン病(ライ病)患者」とみられます。

 

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ご存知の方も多いとは思いますが、ハンセン病はつい最近まで、

日本が先進国だなんて言うようになってからもずっと差別されてきた感染症です。

 

400年以上前のハンセン病患者の庶民がどのような暮らし向きをしていたかを

知るのは容易ではありません。

日本書紀によると700年代にはハンセン病患者が存在したと言いますが、

どうやって生活していたかまでは記載されていません。

 

また、1500年代後半の大名に大谷吉継というハンセン病患者が実在します。

従五位下(維新後の位階制度を当てはめると貴族階級)という官位が与えられ、

敦賀城城主として鍛冶産業を育成した好人物として様々な逸話がありますが、

それらの逸話は多くが眉唾物で信用に足りません。

 

しかし、皮肉なことにその逸話のほとんどがハンセン病差別を

前提としたものであることが多いので、差別そのものはあったのでしょう。

そして、大谷氏の場合は父の代から武家であったこともネックです。

 

「もののけ姫」では、エボシ御前は居場所を失った彼らを匿い、

自らの屋敷の一角に住まわせ、新石火矢を作らせるという仕事を

当然のように与えています。

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セリフの中にもその片鱗が見えます。

 

エボシ御前が「わたしの庭だ」の直後に「ここへはみな恐れて近寄らぬ」

という旨の発言をしていますね。

タタラ場の人々は「エボシ御前が自分の住居の一角にハンセン病患者を養っている」

ということは知っているのでしょう。

なにが秘密なのかという点ですが、「彼らが新石火矢を作っていること」でしょう。

「女に持たせるための新石火矢」の開発は、広義の意味で秘密といっていいでしょう。

事実、石火矢とはいえ銃器を手に戦った実例は日本にありませんから。

 

病人と女。

特に差別されてきた両者が、タタラ場ではメイン戦力です。

劇中でも首を無くしたシシ神の呪いが押し寄せるまで主に

タタラ場を守っていたのがこの階層であること(甲六はけが人なので例外)

がなによりの証です。

 

女性が活躍することの多いジブリ作品の中でも

「もののけ姫」の中にある差別への喚起、提起が特に強く感じられるのは

エボシ御前を中心としたこういう流れのためでしょう。

 

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もちろん、エボシ御前がすべて正しいわけではありません。

しかし、結局そのあとの日本において、人間がやったこと、

特に明治から平成のこの世までのすべてを、エボシ御前は

体現しているといっていいと思います。

 

エボシ御前については書きたいことがたくさんあるので

何度書いてもまとまりが出ませんね;;

また機会があれば、もう一度エボシ御前のことを書きたいと思います。

そして、もしみなさんがもののけ姫を見るとき、ちょっとでも

エボシ御前という存在の演出を考えてもらえるといいなあ、なんて思います。

 

長くなりました。最後まで閲覧ありがとうございます!

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