夏休みは日帰りできるジブリ聖地巡礼をしよう!~平成狸合戦ぽんぽこの拠点編~
今回もまた聖地巡礼の記事です。
ただ、今回からトトロから高畑勲監督の名作映画
「平成狸合戦ぽんぽこ」にシフトします。
「平成狸合戦ぽんぽこ」は、
実在した多摩丘陵に住む狸たちが、
自分たちの住処を破壊する人間たちと
四国の翁たちとタッグを組み、
妖怪変化して人間を化かすダイナミックなシーンや、
人に化け人として生きていけない狸たちが
翁が先導する船に乗り、
まさに補陀落渡海をするという
一見楽しそうに見えて、
実はそこにあるとても残酷な現実を示したシーンなど、
「動物もの」という映画のイメージを一新した
エッジの効いた名作です。
さて、ぽんぽこは最初から舞台が
「多摩丘陵」とわりと明確に示されています。
しかし多摩丘陵に入る範囲というのは
非常にあやふやで、かつとても広いです。
大体の定義は「高尾山を西端とした八王子市の一部から、
町田市の神奈川県境界隈まで」なので、
まともに歩こうと思うと
これはしんどいことになります。
ただ、今も緑の残るところはまだ存在するので、
それはまだ次回以降にしようと思います。
今回は「ぽんぽこ」で主な舞台となった
狸たちの本拠地「御堂」こと
「菩提餅山万福寺(ぼたもちざまんぷくじ)」です。
作中では取り壊されてしまう万福寺ですが、
モデルとなったお寺はまだ存在しています。
これは八王子市に実在する
「竜生寺阿弥陀堂」がモデルになっています。
京王線京王堀之内駅からバスに乗り、
堀之内2丁目で下車し15分ほど
歩いたところにそのお寺は存在します。
実際のお寺と比べて、
作中に出てくる御堂はかなり脚色されています。
たとえば、作中では作戦会議などに使われている
御堂が本堂のように描かれていますが、
竜生寺の本堂はすでに取り壊されています。
堂軒はまだありますので、
モデルはこちらかもしれませんね。
しかし、御堂に続く階段や鐘楼などは
ぽんぽこの作中そのまま描かれていて、
とても胸が熱くなります。
(鐘楼は場所が違いますのでご注意を)
また、多くの緑が残されているので、
新緑の季節や紅葉シーズンに
もってこいなロケーションです。
階段を走って「大変だ~!」と
叫びたくなりますね!
(お寺や周辺住宅に迷惑のかかることはやめましょう)
また、このお寺にある石灯籠、
宝篋印塔は1796年、元号で言うと
寛政8年に建立されたもので、
非常に歴史的価値のあるものです。
市の有形文化財にも指定されています。
こういう発見もあるので、
聖地巡礼はやめられません。
多摩丘陵界隈を歩いていると、
今も多くの緑を感じます。
しかし多くは人工的な緑であり、
それは人のためのものです。
自然と人間の共生というテーマは、
高畑勲監督だけでなく、
宮崎駿監督の「もののけ姫」にも
取り上げられるほど、
ジブリ作品を見るうえで
一度は考えなければならない
テーマだと思います。
ぽんぽこの聖地はまだまだ紹介して
いこうと思いますので、
是非、自分の足で歩いてみてください。
そして映画の内容を思い出すとき、
ちょっとだけでいいので、
そういったことを考えてみてくださいね。
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