歴史好きが「もののけ姫」の世界を勝手に考察! ~木霊について~


 

みなさんこんにちは!

久しぶりにこのシリーズの記事を書かせていただきます。

だんだん歴史から文化論みたいになっているんですが…笑

 

文系がもののけ姫の世界を勝手に考察!に

タイトルを替えた方がいいかもしれませんね;;

完全に領域がさつきちゃんとめいちゃんのお父さんです…笑

 

さて、今回は「木霊」について書いていこうと思います。

 

kodama

 

劇中で、甲六に「こいつはシシ神を呼ぶんだ」という

言葉がありますね。アシタカは全く意に反してませんが。

 

甲六にとってみれば、「なにやってんだこいつ!やめろよ!まじでやめろよ!」と

言いたいところでしょう。

言えないのが甲六らしいところですが。

 

この木霊、だいだらぼっちと同じく実際の伝承が

存在する精霊や妖怪などの一種です。

 

妖怪図画でおなじみ…といいますか、

京極夏彦先生や水木しげる先生が好きな人はご存知の

江戸時代の妖怪画家・鳥山石燕(とりやませきえん)先生も、

この木霊を描いています。

 

SekienKodama

 

図画百鬼夜行(ずがひゃっきやこう)より、

「木霊」、読みも「こだま」です。

木の元にいる2人の人間のようなものが木霊です。

 

「やまびこ」「こだま」と言われる山や谷の反響は

この木霊の仕業と言われています。

また、古多万と書いてこだまと読みます。

こちらはなんと、平安時代の辞書『和名類聚抄』に

収録されています。

実は歴史の長い存在なのです。

 

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「もののけ姫」では白い体に、

頭にふぞろいな目と口のような模様があり、

カタカタカタ…と頭を揺らします。

タタラ場ではシシ神を呼び、でぃだらぼっちを呼ぶ

恐ろしい存在とされています。

甲六だけでなく、外に出る男たちはみな

そう思っているのでしょう。

 

が、おそらくこれは「人間側」が勝手に

そう思っているだけです。

アシタカが「森が豊かな証拠だ」と言っている

ように、本来木霊とは上に添付した

石燕先生の絵のように「100年生きた木の精霊」なのです。

 

100年以上続く木にしか存在しないものが

あんなにワラワラいるんですから、そりゃあ森が豊かな証拠です。

 


 

 

でぃだらぼっち(だいだらぼっち)は地域にもよりますが、

本来国造りの神話を起源とした巨人信仰です。

皮肉にも「タタラ場という強い国を造る」という

信念を持った女性、エボシによってでぃだらぼっちは

シシ神の姿から変わる瞬間に首を落とされてしまいます。

そしてその体から噴き出した

死という呪いによって、多くの木霊が死んでいきます。

 

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そして、首を返されたシシ神によって

滅んだ自然が新しくなった際に、

芽吹いたまだ若い木の元に

木霊が立つところで映画は終わっています。

 

この木霊がトトロとも言われていますね*^^*

 

ダウンロード

 

木霊がいるということは、

木に精が宿っているということです。

アシタカの「シシ神は死なない」という

発言を裏付けるように、

自然はまた生と死を繰り返すのです。

 

そこまで考えて作られている作品だと思うと、

やっぱり面白い作品ですね。

 

ちなみに木霊は古事記に登場する

木の神、ククノチノカミとされています。

ククノチノカミはイザナギとイザナミの

神産みで誕生した神様(男性神らしいです)で、

全ての樹木の生みの親なのだそうです。

 

今回も調べてて楽しい記事でした。

皆さんもジブリを通していろいろな発見を

していってくださいね。

 

最後まで閲覧ありがとうございました。

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