今週放映!「風立ちぬ」の前に知っておきたい「戦闘機」のあれこれ
更新が途絶えがちですみません。
今回は先週と引き続き今週金曜日に
「金曜ロードショー」で放映される
ジブリ映画「風立ちぬ」について
記事を書いていこうと思います。
しかし、普通にあらすじを書いても面白くないので、
作中に登場、また主人公・堀越二郎が実際に
関わった戦闘機について説明していきたいと思います。
こちら、皆さんがよく見る零銭、正式名称は零式艦上戦闘機といいます。
よく「ぜろしき~」と読んでしまっている方を見かけますが、
本来の読み方は「れいしきかんじょうせんとうき」です。
略称は「零戦」と書いて「ぜろせん」と読むこともあるので、
誤読に繋がっているのかもしれません(「れいせん」と読む人もいます)
本作を見た方はご存知だと思いますが、堀越二郎は
裕福な家庭に生まれ、旧帝国大学(現在の東大)を卒業し、
英才と呼び声高く三菱内燃機製造(現在の三菱重工業)に入社します。
当時の三菱は、旧日本軍に多くの兵器を開発していました。
あ、この辺ピンとこない方もいると思いますが、
現在も三菱は自衛隊などに戦車の設計や製造を請け負っています。
十式戦車とか聞いたことありません?あれも三菱が製造した戦車なんですよ。
さて、そこで堀越は七試艦上戦闘機(ななしかんじょうせんとうき)、
九六式艦上戦闘機(きゅうろくしきかんじょうせんとうき)
そして零戦艦上戦闘機の設計に携わります。
ちなみに戦後に堀越二郎氏が語った「自分が作った戦闘機で一番の出来」だったものは、
零戦ではなく九六式艦上戦闘機だったそうです。
作中ではあまり語られていませんが、高い運動性能と
優秀な旋回能力を持ち、1935年に試作機が作られ、
1937年に日中戦争で初戦果を挙げると
(ちなみにこの初戦果時に九六式を搭載していた空母はあの「加賀」です)
太平洋戦争序盤まで活躍し、零戦が開発された後も
練習機として軍籍にあったそうです。
戦中の日本の物資不足と、
速度を追求したあまりの防御性の低さという問題もあるものの、
それをもってもなお長く使用されていたということは
比較的バランスのとれた戦闘機だったといわれています。
どうしても後に出た零戦のインパクト、
また零戦を改修して行われた残酷な戦闘方法に
イメージがいきがちですが、こういった戦闘機の存在も
知っていただけると九六マニアとしてはうれしいです。
ちなみに「戦闘機」と「爆撃機」の区別ですが、
空中での格闘戦を主とするのが戦闘機で、
地上、または洋上の軍艦への爆撃を行うのが爆撃機です。
他にも日本には「観測機(偵察機)」という概念がありました。
作中では登場しませんが零式の観測機も存在します(ぜろかんと呼ばれています)
さて、零戦については明日あたりにまた日を改めて
書かせていただこうと思います。
少しでも当時の歴史や戦闘機について
興味を持つきっかけになればと思います。
かみ砕いて書いたつもりですが、
気になる点ありましたらコメントなどで
気軽にお声掛けくださいね。
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