三鷹の森ジブリ美術館、初夏の展示は江戸川乱歩のデカダンス!?書き下ろし作品も読める!
こんにちは。
今回は三鷹の森ジブリ美術館の展示が面白そうだったので
その紹介をしようかと思います^^
それはなんと、江戸川乱歩!
今回の展示はイギリス文学者である
アリス・マリエル・ウィリアムソンの作品「灰色の女」を原作とした
江戸川乱歩「幽霊塔」を宮崎駿監督風に書き下ろしたものを
展示するそうです。
本当は翻案の翻案だったりするのですが…この辺は後述します。
今回の展示は「幽霊塔へようこそ展‐通俗文化の王道‐」と題し、
物語に登場する時計塔や当時の文化などを
宮崎駿監督書き下ろしの漫画で解説しています。
宮崎駿監督が中学生の時に出会った同作。
それ以来、宮崎監督は時計塔や歯車の描写、
個性的な登場人物によるロマンスなどに憧れ、
「ルパン三世 カリオストロの城」にも、
「宮崎流乱歩」を取り入れているそうです。
歯車などの機関描写に特徴のある宮崎作品の
原点ともいえる作品かもしれませんね。
ちなみに「幽霊塔」皆さんご存知ですか??
元々この作品は、前述のとおり、
英文作家のアリス・マリエル・ウィリアムソンの作品「灰色の女」を翻案したもの。
翻訳と違って、訳したうえで乱歩流に書き替えたものです。
元々は乱歩でなく、幕末から大正時代を生きた作家で
思想家・ジャーナリストの黒岩涙香(くろいわるいこう ※本名・黒岩周六)が
1899年に「幽霊塔」の名前で翻案したものです。
タブロイト誌(いわゆるゴシップ専門誌。今でいうところの夕○フジや日刊ゲン○イみたいな感じです)に
掲載された同作品を、少年時代涙香のファンだった江戸川乱歩が読み、
1937年にタイトルはそのままに更に翻案したものが「幽霊塔」になります。
(更に更にそれを読んだ宮崎駿が…と考えると、すごいですね笑)
舞台は長崎の田舎。
ここにある寂れた西洋屋敷を屋敷を買い取った
叔父の代理で検分にやってきた主人公・光雄は、
屋敷にある時計塔の一室で、
神秘的に美しい謎の美女、野末秋子と出会う。
光雄は次第に秋子に惹かれていくが…
その時計塔は「幽霊が出る」と噂の時計塔なのです…
そのうえでさらに怪事件、埋蔵金伝説と
かなり壮大なミステリーロマンスと話が膨らんでいくのです。
来年没後50周年を迎える江戸川乱歩。
出版もされるでしょうし、既刊も文庫版や全集など
多く発行されてます。
青空文庫へのデータ移行も楽しみですね。
もし興味がある方は読んでみてくださいね。
ちなみに2008年に、原作である「灰色の女」が初日本語訳されています。
そちらは管理人は未読なので、気になりますね。
今年5月末から1年間という長期展示なので、
是非予約を取っていってみてくださいね。
管理人も行ってみようかと思ってます。
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